ナツウソ −Ahead of the reminiscence−

――人は誰もがウソをつく。自分を守るための嘘。 自分を否定するための嘘。自分を誤魔化すための嘘。 自分であり続けるための嘘。嘘にも種類があって、誰もが嘘をつく理由を持っている。理由は分からない。けど、嘘をついているのは分かる。そんな中途半端な能力を持つ少年・櫻井宗一郎。しかし、その能力を得た代償は必要なわけで。彼は能力を得た代償を支払うため、数々の依頼をこなし続けていく。その結果、今では『学園一の問題児』と囁かれるまでになっていた。「後期課程一年の櫻井宗一郎先輩ですよね」入道雲を見上げていた宗一郎の瞳に映ったのは――敵意の籠った視線を向けてくる一人の少女。「生徒会所属の和泉葵です。猫の手部の監査をするために派遣されてきました」それは、一年前の初夏の日。二人は出会い、近づいて、そして……離れてしまった。――それから、一年後。紆余曲折を得て、猫の手部にも新入部員が加入。順風満帆とは行かずとも、それなりに騒がしい日々は過ぎていく。――そのはず、だった。「……これは、一体どういうことなんだ」一年前に、一度だけ訪れた部屋。昨晩の記憶を思い出そうにも、激しい頭痛が襲い掛かってくる。そして隣には――いつも、口では自分へ憎まれ口を叩く少女が…………抱きつきながら眠っていた。それも、なぜか裸で。追憶の先へ(Ahead of the reminiscence)――波乱の夏が幕を開ける。
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見上げてごらん、夜空の星を【萌えゲーアワード2015 準大賞 受賞】

『この列車は、宙をゆく銀河鉄道天文台!太陽系を征服しても、我ら三人の旅はまだまだ終わらない』どこへでも行けるって思ってた。宇宙の謎を全て解き明かすことだって、手を伸ばせば、あの星を掴むことだってできる、そう思ってた――子供の頃、幼なじみたちと毎晩のように星を観ていた宙見 暁斗。天体望遠鏡の先に浮かぶ無数の光に、胸を躍らせていた。それはまるで、銀河を旅するような日々だった。だがしかし、成長した暁斗は『星を観ない天文部員』と呼ばれるようになっていた。やめてしまったのだ、夜空を見上げることを。そんな彼のもとへ、『むつらぼしの会』への参加要請がくる。暁斗は、断るべく会いに行くが、そこで思いがけない再会をする。どこか遠くへ引っ越していったはずの幼なじみ、帚星 ひかりがいたのだ。いつも傍にいてくれた、もう一人の幼なじみ、天ノ川 沙夜。むつらぼしの会復活を望む他校の先輩、白鳥 織姫。そして、暁斗を慕う後輩の日下部 ころな。別れと再会、新しい出逢いを経て、再び夜空を見上げるようになった暁斗は、取り戻していく。もう二度と戻らないと思っていた、大切な想いの数々を。そして知っていく。未だ出逢ったことのなかった、特別な夜を。「さあ、銀河の謎を解き明かすべく、次なる目的地へ向かおう!」仲間たちと宙を見上げ、星々を巡りゆく青春の日々が、また始まる。
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特集: 萌えゲーアワード2015特集

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