輪罠II 〜Gang R●●E〜 DL版

弟の響の様子がおかしくなった、それは突然の変化だった。ある日の夜、響(ひびき)は学校から帰ってきたかと思うと、挨拶もしないまま部屋へ閉じこもり奏(かなで)が話しかけてもまったく反応せず、部屋を出てくる気配がない。最初は何か一人で考えたいことがあるのかもしれないと思い、そっとしていた奏だったが、学校を休み、丸2日経っても部屋から出てくる気配がなく、さすがに心配になり、響の部屋の扉を開ける。部屋の中は暗いままで、響は布団の中にくるまっていた。ただじっとしているだけの響。その時、奏は部屋の床に落ちている響の携帯電話を見つける。開かれた状態のまま落ちていた携帯を拾うと、休止状態になっていた携帯が起動し画面が映しだされた。「え……? なに、これ……?」そこには予想もしていなかった画像が映しだされてた、それは、響が一人の女の子を蹂躙している画像だった。女の子は全身が精液にまみれていて、だいぶ衰弱しているようだった。 そして響は、そんな女の子を笑いながら蹂躙している。信じたくはなかったが、どう見ても画像に映っている男は響だった。でも、響がこんな事をするはずがない。警察に言うわけにはいかない。父親にもこんな事は相談できない。どうすればいいの……?その時、響の机の上に飾ってある一枚の写真が目に映った。それは別の学校に入学した二人が、お互いの制服を取り替えて撮った写真だった。数ヶ月ぶりに帰ってくる父親を騙そうとして、見事に成功した。その時に父に取ってもらった写真だ。自分で見ても、どちらがどちらかわからない程よく似ている。それをみた奏はふとあることを思いつく。誰にも相談できないなら、自分で調べればいい。そうして、奏は響になりすまし、響の学校に登校することを決意する。響の無実を信じて。真実を知るために。その先に壮絶な輪罠(わな)が待ち受けていることも知らずに……。
▼もっとみる

続きを読む